名古屋のホスピス型住宅は、医師が常駐していなくても医療保険と介護保険を同時に使えるため、緩和ケア病棟より月額費用が10万円以上安くなるケースがあります。
| 比較項目 | ホスピス型住宅(名古屋) | 緩和ケア病棟 |
|---|---|---|
| 医師の常駐 | ❌ 訪問診療(月2回程度) | ✅ 常駐 |
| 看護師 | ✅ 24時間常駐 | ✅ 24時間常駐 |
| 個室 | ✅ 全室個室 | 施設により異なる |
| 面会・外出制限 | ❌ 原則制限なし | 施設ルールによる |
| 医療保険適用 | ✅ 訪問診療等で適用 | ✅ 入院料で適用 |
| 介護保険適用 | ✅ 同時使用可 | ❌ 入院中は原則停止 |
| 月額費用目安 | 約20万円~ | 約35万円~(差額ベッド代込み) |
名古屋市内のホスピス型住宅は、末期がん患者だけでなく、ALS・多発性硬化症・脊髄小脳変性症など16種類の特定疾病を持つ難病患者も受け入れ対象です。 これは多くの医療従事者が「がん専門の施設」と思い込みがちな盲点です。
入居条件の基本は「60歳以上または要介護・要支援の認定を受けていること」ですが、医療依存度が高い方を特に歓迎している施設が多い点も特徴です。 気管カニューレ挿入中の方、慢性心不全・COPD・再発性誤嚥性肺炎の方など、従来は病院以外での受け入れが困難とされてきた層が対象に含まれます。
参考)ファミリー・ホスピスOASIS北 – 【公式】ファミリー・ホ…
入居条件が合わないケースもあります。認知症を主病態とする方や、急性期の治療が必要な状態の方は入居の対象外となる場合がほとんどです。患者紹介の前に施設への事前確認が必須です。
これだけ広い対象疾患が含まれているということですね。病院の地域連携室や退院支援担当者にとって、ホスピス型住宅は緩和ケア病棟の「代替」ではなく、独立した選択肢として位置づけるべきです。
名古屋市内には2025年以降、ホスピス型住宅の施設数が急増しています。 ReHOPEだけで愛知県内に5施設(新栄西館・新栄東館・大高・星ヶ丘・岡崎)を展開しています。 ファミリー・ホスピスOASISも金山(中区)・北(北区)など複数拠点を持ちます。
参考)ファミリー・ホスピスOASIS金山 – 【公式】ファミリー・…
費用の目安を整理すると以下のとおりです。
| 施設名 | 所在区 | 室数 | 月額費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ReHOPE 大高 | 緑区 | 50室 | 約20万円~ | 2025年3月開設、JR南大高駅徒歩10分 |
| ReHOPE 新栄東館 | 中区 | - | 要問合せ | 名古屋市中心部アクセス良好 |
| ReHOPE 星ヶ丘 | 千種区 | - | 要問合せ | 東部住宅地エリア |
| ファミリー・ホスピスOASIS金山 | 中区 | 45室 | 共益費3万円+保険負担分 | JR金山駅徒歩7分 |
| ファミリー・ホスピスOASIS北 | 北区 | - | 要問合せ | 神経難病・がん特化 |
| リベル 名古屋荒子 | 中川区 | - | 要問合せ | 株式会社リベルケア運営 |
費用の内訳は「家賃+管理費(固定費)」と「医療保険・介護保険の自己負担分」と「食費・日用品費」の3層構造です。 後期高齢者(75歳以上)で1割負担の場合、月20万円前後が現実的な目安になります。 現役世代・2割・3割負担の方はこれより高くなるため、患者家族への説明時に負担割合の確認が先決です。
参考)費用
ホスピス型住宅では、医療保険と介護保険を同時に使えます。 多くの医療従事者が「介護施設に入ると医療保険は使えなくなる」と思い込んでいますが、それは入院の場合の話です。
参考)ホスピスの利用に介護保険や医療保険は使える?利用条件や注意点…
ホスピス型住宅はあくまで「住まい」であり、利用者は在宅扱いになります。そのため、訪問診療・訪問看護は医療保険、介護サービス(食事介助・排泄介助・入浴など)は介護保険とそれぞれ適用できます。 たとえば末期がん患者が訪問看護を利用する場合、医療保険の「末期悪性腫瘍」の特例で週4日以上の訪問が可能になります。これは緩和ケア病棟への入院中には使えない仕組みです。
在宅扱いということですね。この仕組みを正確に理解していると、退院支援の場面で「施設に入ったら医療が手薄になる」という患者・家族の誤解を解消できます。特に医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院調整看護師にとって、この知識は直接的な業務効率につながります。
医療保険適用の対象となる主なサービスは以下のとおりです。
介護保険が適用されるサービスとの棲み分けが明確であることが、この制度の核心です。
多死社会の到来は数字で理解するとリアルです。
現在、日本全国の年間死亡者数は約160万人超で、緩和ケア病棟のベッド数は全国合計で約8,000床前後とされています。仮に全員が緩和ケア病棟を希望しても、単純計算で20倍近くの需要と供給の差があります。ホスピス型住宅はこのギャップを埋める民間の受け皿として、今後も増加が見込まれます。
参考)[2023年11月号] 多死社会の到来と「ホスピス住宅」
医療従事者として患者に「ホスピス型住宅という選択肢がある」と伝えられるかどうかで、患者の最期の場所が変わります。情報を持っているか否かが、患者の選択の幅に直結するということです。
【ReHOPE公式】ホスピスの利用に介護保険や医療保険は使える?利用条件や注意点 — 医療・介護の同時適用の仕組みについて詳しく解説されています。退院支援・患者説明の際の参考として有用です。