一包化加算算定要件を正しく理解して損失を防ぐ方法

一包化加算(外来服薬支援料2)の算定要件は、知らないと査定や返戻で大きな損失を招くことも。2024年改定後の最新要件から見落としがちな注意点まで、薬剤師・調剤事務が知っておくべき情報を徹底解説。正しく算定できていますか?

一包化加算の算定要件を正しく理解して損失を防ぐ


実は、全部を一包化しなくても加算が算定できる場合があります。


一包化加算(外来服薬支援料2)3つのポイント
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算定の基本条件

服用時点が異なる2剤以上、または1剤で3種類以上の内服用固形剤を服用時点ごとに一包化した場合に算定できます。

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点数のしくみ

42日分以下は7日ごとに34点を加算。43日分以上は一律240点。日数カウントのミスが算定漏れの主な原因です。

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見落としがちな注意点

2022年改定で「一包化加算」は廃止。現在は「外来服薬支援料2」として薬学管理料に分類されています。旧名称のまま算定していると返戻リスクがあります。


一包化加算とは何か:外来服薬支援料2への移行と背景



「一包化加算」という名称は、2022年度の調剤報酬改定によってすでに廃止されています。 これは単なる名称変更ではなく、評価の枠組みが根本から変わったことを意味します。改定前は一包化を「対物業務(調剤の技術)」として調剤料の加算で評価していましたが、2022年以降は「対人業務(患者支援)」として薬学管理料の「外来服薬支援料2」に再分類されました。


参考)【2026年度版】外来服薬支援料2(一包化加算)とは?算定要…


これが現場に何を意味するかというと、単に薬をまとめて袋に入れるだけでは不十分だということです。患者の服薬状況を聴き取り、コンプライアンス向上のための指導を行うことが求められます。 2022年度の算定回数は前年比で約3%増と大きな変動はなかったものの、一包化を伴う服薬管理支援の対象となる患者のうち55.3%は75歳以上の高齢者でした。



2024年度改定では、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設職員と協働して支援を行った場合に算定できる「施設連携加算(50点)」が新設されました。 薬剤師に求められる役割がますます「地域包括ケアの担い手」として広がっているということですね。



参考リンク(2022年度および2024年度改定の公式概要):
令和6年度診療報酬改定について|厚生労働省


一包化加算の算定要件:2剤・3種類ルールを正確に押さえる


外来服薬支援料2が算定できる条件は次の2つです。


参考)https://www.fpa.or.jp/library/iryohoken/sinsa201411.pdf


  • 服用時点が異なる2剤以上の内服用固形剤を一包化した場合
  • 1剤であっても3種類以上の内服用固形剤を一包化した場合


「2剤」のカウントには注意が必要です。 剤数は薬の数ではなく、「服用時点の数」で数えます。たとえば5種類の薬をすべて朝食後に服用する場合は「1剤」です。さらに、2剤以上の場合は服用時点が重なっていることが必須条件です。



たとえば朝食後と夕食後のように服用時点がまったく重ならない2剤は算定できません。 朝食後と朝夕食後のように一部でも重なっている場合のみ算定可能です。これが原則です。


参考)加算料(一包化加算)


また、同一成分は規格が違っても「1種類」としてカウントします。 たとえばA錠1mgとA錠2mgが同時に処方された場合でも種類としては1種類。この点を見落とすと算定要件を誤判定するリスクがあります。



一包化加算の点数と計算方法:42日・43日の境界線を理解する


外来服薬支援料2の点数は投与日数によって決まります。



投与日数 算定点数
1〜7日(1週以内) 34点
8〜14日(2週以内) 68点
15〜21日(3週以内) 102点
22〜28日(4週以内) 136点
29〜35日(5週以内) 170点
36〜42日(6週以内) 204点
43日以上 240点(上限)


7日ごとに34点を加算する仕組みで、43日以上になると一律240点が上限になります。 覚え方としては「7日×34点」が基本単位です。



処方日数が異なる薬を一包化する場合は、算定できる日数に注意が必要です。 たとえば30日分の薬と15日分の隔日投与薬を一包化する場合、算定できるのは要件を満たす15日分のみで、34×3=102点となります。これは意外なところで算定漏れや過剰算定につながるポイントです。



見落としやすい算定要件の例外:吸湿性薬・全数一包化・同時算定の禁止


ここが最も実務で間違いやすい部分です。


まず、吸湿性が強いためPTPシートから取り出せない薬が含まれる場合でも、その薬を除いた部分が算定要件を満たしていれば一包化加算を算定できます。 これは2015年(平成27年)の疑義解釈(その12)で明確になった内容です。ただし一包化しなかった薬剤とその理由を調剤録に記録することが望ましいとされています。 「全部まとめないと算定できない」という思い込みは誤りです。


参考)一包化加算は全て一包化しないと算定しちゃダメ?


次に、錠剤と散剤を別々に一包化した場合や、臨時薬と定時薬を別々に一包化した場合も、患者の服薬や薬剤識別を容易にするための措置として算定可能です。 ただし処方箋受付1回につき1回に限ります。



同時算定できない項目も重要です。



  • 外来服薬支援料1
  • かかりつけ薬剤師包括管理料
  • 自家製剤加算(同一剤に限る)
  • 計量混合調剤加算(同一剤に限る)


自家製剤加算・計量混合調剤加算については「同一剤」での同時算定が禁止されているのであって、一包化加算と無関係の別の剤については算定可能です。 ここは精緻なルールなので、剤単位で確認する習慣をつけておくことが必要です。



参考リンク(疑義解釈の詳細):
一包化加算で疑義解釈‐PTPシート交付も算定可|薬読


一包化加算と医師の了解:薬歴記録・レセプト記載の実務チェックリスト


算定要件を満たしていても、記録が不十分なために個別指導で指摘を受けるケースがあります。厳しいところです。


必要な記録・手続きは以下のとおりです。



  • 医師の了解を事前に取得すること(処方箋に指示がない場合は必ず確認)
  • 一包化の必要性と医師の了解を調剤録・薬歴に記載すること
  • 一包化しなかった薬剤がある場合は、その理由も記録すること
  • 同一医療機関の複数診療科の処方箋を組み合わせる場合は、両科の医師から了解を得ること


関東信越厚生局の集団指導資料では「患者の希望(医師が治療上の必要性を認めていない状況)による一包化」が不適切な例として挙げられています。 患者から「まとめてほしい」と言われても、治療上の必要性の確認と医師への連絡は省略できません。これが算定の根拠になります。



処方箋に長期にわたり一包化の指示がない場合は、「医師は治療上必要と認めていない可能性がある」として再確認を求められることもあります。 継続的に一包化を行っている患者についても、定期的に記録を整備しておくことが大切です。



参考リンク(算定要件の実務解説):
加算料(一包化加算)|管理薬剤師.com

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