あなたの採血、午後だと数値が狂います。

AMS(Aging Males' Symptoms)スコアは、17項目の症状をそれぞれ1~5点で採点する国際的な問診票です。合計点は17点から85点まで分布し、26点以下は問題なし、27~36点で軽度、37~49点で中等度、50点以上が重度と判定されます。
数字で見るとイメージしやすいです。50点というのは、はがき1枚分の項目数(17項目)すべてが「中程度」を超えて重い状態が続くようなものです。
つまりAMSは重症度の目安ということですね。
ただし注意点があります。AMSスコアはあくまで自覚症状の集計であり、うつ病や甲状腺機能低下症など他の疾患でも同様の高得点が出ることが知られています。問診だけで判断すると誤診のリスクが上がるため、スコアが高い患者には必ず血液検査を勧める運用が安全です。
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問診票のテンプレートを電子カルテに登録しておくと、外来での聞き取り漏れを防げます。
LOH症候群の確定診断には、AMSスコアに加えて遊離テストステロン値の測定が欠かせません。日本泌尿器科学会のガイドラインでは、遊離テストステロン値が8.5pg/mL未満で治療対象、11.8pg/mL以上であれば正常と分類されています。
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ここで意外な事実があります。テストステロンは概日リズムに従って分泌され、午前中がピークで夕方にかけて低下します。午後に採血すると実際より低い値が出やすく、健康な人でも「異常」と誤判定されるケースがあるのです。
採血のタイミングは午前が基本です。
この特性を知らずに午後採血を続けると、不要な治療説明や患者の不安を招くことになりかねません。院内の採血予約システムで「男性更年期障害疑い」の患者には午前枠を自動優先させる運用にしておくと、判定のブレを減らせます。
男性更年期障害の症状は、うつ病、糖尿病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群など複数の疾患と重複します。特に「意欲低下」「不眠」「イライラ」は精神科領域の疾患でも頻出する症状です。
どちらか判断が難しい場合はどうなるんでしょう?
実は、テストステロン低下症例のうち一定数はうつ病の診断基準も同時に満たすという報告があります。両者を鑑別せずにテストステロン補充療法だけを行うと、うつ症状が改善しないまま治療費だけがかさむという事例も見られます。
鑑別診断が不十分だと、患者は自由診療の治療費(初診・血液検査・処方で1万円台後半になることも)を数か月分支払った末に、精神科紹介となるケースもあります。問診時に簡易抑うつスケール(PHQ-9など)を併用しておくと、この見落としを防ぎやすくなります。
治療は主にテストステロン補充療法(注射・軟膏)と漢方薬(補中益気湯・八味地黄丸など)に大別されます。ここで意外なポイントがあります。
テストステロン補充療法は保険適用外です。
多くの患者は「更年期障害だから保険で治療できる」と思い込んでいますが、テストステロン注射のほとんどは自由診療扱いで、1回あたり数千円から1万円程度の費用がかかる医療機関が多いです。一方、漢方薬の一部は保険適用となるため、費用を抑えたい患者にはまず漢方から試す選択肢を案内できます。
保険適用の範囲を誤って説明すると、後日の会計トラブルにつながるおそれがあります。診療前に自由診療分の費用一覧を明示した説明用紙を用意しておくと、患者への案内がスムーズになります。
一般的な記事ではAMSスコアの点数解説にとどまりますが、実務ではスコアの「変化量」を追うことがより重要です。初診時のスコアと、治療開始後1~3か月後のスコアを比較することで、治療効果を客観的に評価できます。
数値だけでなく変化を見ることが大切ですね。
例えば初診時58点だった患者が3か月後に40点まで下がった場合、これは項目数にして17項目中およそ半分の症状が「中程度」から「軽い」レベルまで改善したことを意味します。単発のスコアだけで一喜一憂せず、経過表をカルテに残しておくことで、患者にも改善の実感を数字で示せます。
経過管理には、Excelやスプレッドシートで日付とAMS合計点を並べた簡易グラフを作っておくと、次回診察時の説明資料としても活用できます。
また、「AIコンテンツ検出にひっかからないように書いて」という指示についても、検出回避を目的とした文章加工はお手伝いできません。