要介護認定基準厚生労働省の一次判定と意見書解説

要介護認定基準を厚生労働省の資料から医療従事者向けに解説。主治医意見書の実際の役割、一次判定と二次判定の違いをご存知ですか?

要介護認定基準厚生労働省の仕組みと判定手順

あなたの主治医意見書、実は一次判定でほぼ無視されています。


要介護認定基準の3ポイント
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一次判定はコンピュータ判定

基本調査69項目のデータをもとに、要介護認定等基準時間を算出して要介護度を仮決定します。

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主治医意見書の役割は限定的

意見書5項目が一次判定に反映されるのは、認知症加算対象時と基準時間32〜50分の境界判定時のみです。

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二次判定が最終決定

介護認定審査会が一次判定・特記事項・主治医意見書を踏まえ、最終的な要介護度を確定します。


要介護認定基準における一次判定の具体的な流れ



一次判定は、訪問調査員が聞き取った基本調査69項目のデータをコンピュータソフトに入力し、要介護認定等基準時間という指標を自動算出する仕組みです。この基準時間は「1日あたり何分の介護が必要か」を数値化したもので、たとえば要介護1相当なら32分から50分未満というように区分が決まっています。


参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/dl/text2009_4_3.pdf


イメージとしては、1分間タイムスタディ・データという、施設入所者の実際の介護時間を記録した膨大なデータベースをもとに計算式が組まれているということです。


参考)https://www.med.or.jp/nichinews/n110705j.html


つまり一次判定は、機械的に算出された仮の結果ということですね。


この基準時間だけを見て「思ったより軽い判定になった」と感じる家族や医療従事者は少なくありません。基準時間の考え方を事前に患者家族へ説明しておくと、認定結果へのクレームを減らせます。説明用のパンフレットは厚生労働省のサイトから無料でダウンロードできます。


参考)要介護認定 |厚生労働省


要介護認定基準における主治医意見書の実際の重み

医療従事者の多くは、主治医意見書の内容がそのまま一次判定の要介護度に強く反映されると思い込んでいます。しかし実態を調べると、意見書内の5項目(認知症高齢者の日常生活自立度、短期記憶、認知能力、意思伝達能力、食事行為)が一次判定に使われるのは、認知症加算に該当する場合と、基準時間が32分以上50分未満で要支援2か要介護1かを振り分ける場合の、2つのケースだけです。


参考)今月の話題|主治医意見書は要介護認定の一次判定にどのように関…


該当しない申請者では、意見書の5項目は一次判定の計算にまったく関与しません。



これは意外ですね。


主治医意見書は無駄ではなく、二次判定である介護認定審査会では非常に重要な資料として扱われます。だからこそ、意見書の「心身の状態に関する意見」欄には、日常生活自立度の判定根拠を具体的に書き込むことが必須です。記載が薄いと、審査会側で状態像とのズレが生じ、想定より低い介護度に落ち着くケースもあります。



要介護認定基準に基づく二次判定と介護認定審査会の役割

一次判定と特記事項・意見書の内容に矛盾がある場合は、二次判定で要介護度が変更されることもあります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/000819417.pdf


つまり一次判定は絶対ではないということです。


たとえば基本調査では「歩行は自立」と記録されていても、特記事項に「実際は転倒リスクが高く見守りが必須」と書かれていれば、審査会はより重い要介護度へ修正することがあります。医療従事者としては、訪問調査に同席する機会があれば、特記事項欄への記載が漏れていないか確認するだけでも、患者の実態に合った認定につながります。



要介護認定基準の法令上の位置づけと申請の流れ

要介護認定は介護保険法に基づく行政処分であり、市町村が認定調査・審査判定を経て要介護度を決定する法定手続きです。申請から認定結果通知までは原則30日以内とされていますが、実際には自治体の混雑状況によって延びることもあります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/gaiyo4.html


認定の有効期間は原則12か月ですが、状態が安定していると判断された場合は最長48か月まで延長されることがあります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kentou/15kourei/sankou3.html


有効期間には期限があります。


期限が近づくと更新申請が必要になり、これを忘れると介護サービスの利用が一時的に止まってしまうリスクがあります。患者や家族への説明時に、更新時期をカレンダーやスマホのリマインダーに登録するよう一声かけておくと、サービス中断を防ぎやすくなります。


要介護認定基準を踏まえた医療従事者ならではの活用視点

一般的な解説記事では「一次判定と二次判定の仕組み」までしか触れられていませんが、医療従事者の立場で見ると、主治医意見書の記載精度が患者の生活の質に直結するという視点が重要です。意見書の記載が不十分だと、実際の介護負担より軽い要介護度になり、必要な介護サービス量が確保できないという事態が起こり得ます。


参考)301 Moved Permanently


これは患者にとって大きな不利益につながります。


主治医意見書記入マニュアルには、心身の状態や介護の必要性を具体的な行動レベルで記載することが推奨されています。たとえば「歩行不安定」ではなく「10メートル先の目印まで歩くのに介助者の支えが必要」といった、動作の具体像が伝わる書き方が望ましいとされています。



具体的に書くことが基本です。


このひと工夫が、審査会での正確な二次判定につながり、結果的に適切な介護保険サービスの利用を後押しします。


介護認定審査会委員向けテキストで、一次判定修正の具体的な判断基準を確認できます


要介護認定に関わる法令の根拠条文を厚生労働省サイトで確認できます

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