先発品と同じ成分でも、ジェネリックへの切り替え後に高カリウム血症で転帰死亡が3例報告されています。

ウラリットの有効成分はクエン酸カリウムとクエン酸ナトリウム水和物の配合剤で、先発品は日本ケミファが製造しています。 散剤と錠剤の2剤形があり、それぞれにジェネリック後発品が存在します。
参考)ウラリット−U配合散の基本情報・添付文書情報 - データイン…
| 販売名 | 区分 | 剤形 | 薬価 | メーカー |
|---|---|---|---|---|
| ウラリット-U配合散 | 先発品 | 散 | 10.9円/g | 日本ケミファ |
| クエンメット配合散 | 後発品 | 散 | 9.7円/g | 日本薬品工業 |
| ポトレンド配合散 | 後発品 | 散 | 6.7円/g | 東和薬品 |
| ウタゲン配合散 | 後発品 | 散 | 6.5円/g | 全星薬品工業 |
| ウラリット配合錠 | 先発品 | 錠 | 6.5円/錠 | 日本ケミファ |
| クエンメット配合錠 | 後発品 | 錠 | 6.1円/錠 | 日本薬品工業 |
参考)商品一覧 : クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物
散剤の後発品では、先発品(10.9円/g)と最安後発品(6.5円/g)の差は最大で4.4円/gです。 通常用量1日3g(1回1g×3回)で換算すると、1ヶ月(90g)では約396円の薬価差が生まれます。 これは数字だけで見ると小さく見えますが、慢性疾患で長期投薬が続く患者では年間4,000円超のコスト差になります。
参考)http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/yaka_search_p2.cgi?3949101
後発品への変更は「先発品と生物学的に同等」であることが要件です。 ウタゲン配合散では、クロスオーバー法による血中濃度比較試験で先発品との生物学的同等性が確認されています。 つまり有効成分の体内への吸収動態は同等と評価されています。
参考)https://www.zensei-med.jp/products/comparison_table2.php?id=33&file=&index=1
基本が大切です。 適応症は大きく2つに分かれています。
作用機序は比較的シンプルです。 クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムは体内で代謝されて重炭酸塩(HCO₃⁻)となり、塩基として尿をアルカリ化します。 また両成分を1:1のモル比で含有しているため、電解質バランスへの影響を最小限に抑える設計になっています。
参考)ウラリット
高尿酸血症では尿酸が尿中に溶けにくい「酸性尿」になりがちです。 尿のpHが6.0未満では尿酸の溶解度が著しく低下し、尿酸結石のリスクが上昇します。 ウラリット系製剤はこの酸性尿をpH6.2〜6.8の目標域にコントロールすることで、尿酸の析出・結石化を防ぐのが狙いです。
参考)https://uralyt.jp/doctor/material/K-505.pdf
モニタリングは試験紙法が標準です。 市販の尿pH試験紙で色調を判定表と比較する方法が広く使われており、患者自身による自己モニタリングも可能です。
参考)abs/10.11477/mf.1402207797">https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1402207797
注意が必要です。 PMDAはウラリット系製剤(先発・後発共通)の添付文書を改訂し、「重大な副作用」の項に高カリウム血症を新設しました。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000143806.pdf
最大のポイントは次の事実です。 腎機能に明らかな障害がなくても血清カリウム値が上昇した症例が報告されており、単純に「腎機能が正常だから安全」とは言えません。 ウラリット-U配合散には1gあたり約178mg(4.5mEq)のカリウムが含まれており、1日標準量3gで約534mg(13.5mEq)のカリウムを摂取することになります。
参考)https://www.nc-medical.com/product/faq2/uralyt/doc/uralyt_07.pdf
直近3年度の国内副作用報告では、高カリウム血症による転帰死亡症例が3例報告されています。 このうち因果関係が否定できない症例が1例確認されており、PMDAが添付文書改訂に踏み切った経緯があります。
臨床で気をつけたい対象患者は以下のとおりです。
つまり定期検査が必須です。 ジェネリックへ切り替えたからといってリスクプロファイルは変わりません。先発品・後発品ともに定期的な血清カリウム値のモニタリングを行ってください。
PMDA:クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物の「使用上の注意」改訂のお知らせ(高カリウム血症に関する重大な副作用の追加)
意外と見落とされがちな落とし穴があります。 散剤と錠剤では用量の換算が必要で、散剤1g=錠剤2錠が基本の換算式です。 これを誤換算すると、1日量が倍になるリスクがあります。
実際に医療事故事例として「ウラリット-U配合散とウラリット配合錠の成分量の誤換算による用量変更ミス」が報告されています。 散剤から錠剤へ、または錠剤から散剤へ剤形変更をする際は、必ず換算を明示した処方コメントを記載するか、薬剤師と連携した確認フローを設けることが重要です。
参考)http://fukuokashi-yakkyoku.info/wp-content/uploads/2011/11/231129.pdf
ジェネリックへの切り替えで特に注意したい点を整理します。
これだけ覚えておけばOKです。 散⇔錠の剤形変更は「×2か÷2」、同剤形間の変更は「1対1」と覚えてください。
見逃されやすい観点があります。 ウラリット系製剤の処方において、目標pH6.2〜6.8への到達率は、薬剤の種類よりも測定タイミングと服薬指導の質に強く依存する可能性があります。
尿pHは食事内容・飲水量・服薬時間帯によって日内変動が大きく、同じ用量でも測定時刻によって結果が異なります。 たとえば動物性タンパク質の多い食事直後は尿が酸性に傾きやすく、逆に野菜・果物が多い食事ではアルカリ側に振れます。
参考)尿pH(水素イオン濃度) (medicina 15巻3号)
臨床上の問題点は以下のとおりです。
参考)クエン酸カリウム(ウラリット®等)|尿アルカリ化で再発予防
つまり、服薬タイミングと測定タイミングを統一した指導が処方精度を高めます。 患者への服薬指導票に「服薬後2〜3時間に測定」「1日のうち同じ時間帯で記録」と明記するだけで、外来での用量調整判断が格段にスムーズになります。 これは使えそうです。
また、結石の既往がある患者(尿酸結石・シスチン結石・低クエン酸尿を伴うカルシウム結石)では、泌尿器科との連携で石種に合わせた目標pH設定と管理を行うことが再発予防の観点から推奨されます。
0th CLINIC:クエン酸カリウム(ウラリット®等)|尿アルカリ化で再発予防(石種別目標pHとモニタリングの詳細解説)
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