子供の心筋炎は、発熱、倦怠感、嘔吐、食欲不振など、感冒や胃腸炎に似た非特異的症状で始まることが多いです。年長児では胸痛、動悸、息切れ、失神が手がかりになり、乳幼児では元気のなさ、哺乳不良、ぐったり感として現れやすいです。感染後に症状が改善しない、または呼吸が速い、顔色が悪い、冷たい汗がある場合は心筋炎を疑う必要があります。
参考)心筋炎診断では心電図、心エコー、血液検査が中心で、心電図では房室ブロックや心室頻拍などの不整脈、心エコーでは収縮能低下、心嚢液貯留、壁運動低下を確認します。2023年改訂版ガイドラインでも、症状・徴候、心電図、血液検査、心エコー、心臓MRI、心筋生検を段階的に評価する構成が示されています。
参考)2023年改訂版 心筋炎の診断・治療に関するガイドライン -…治療は重症度で大きく変わり、循環不全や致死的不整脈があれば集中治療室での管理や補助循環が必要になります。小児期急性・劇症心筋炎の指針では、IVIG、ステロイド、PCPS、ECMOなどが検討され、早期の循環維持が予後を左右します。安定例でも運動制限と経過観察が重要で、完全回復前の激しい運動は避けます。
参考)https://jspccs.jp/wp-content/uploads/j2204_514.pdf呼吸が速い、唇が紫っぽい、顔色が悪い、強い胸痛、繰り返す失神、尿量低下、四肢の冷感は緊急性が高い所見です。感染症のあとに「いつもと違う」ぐったり感が続く場合は、単なる風邪として様子を見るより先に評価が必要です。特に年少児では自分で症状をうまく言えないため、保護者の観察が診断の起点になります。
参考)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=18536あまり注目されにくいのが、軽快したように見える風邪のあとに運動を再開して悪化する流れです。小児期心筋炎の資料では、運動がウイルス増殖や病態悪化に関与しうるとされ、症状が軽くても急な運動負荷は危険になり得ます。部活や体育の再開を急がず、胸痛や息切れが完全に消えるまで慎重に判断する視点が有用です。