
サステナビリティとは、「持続可能性」と訳され、現在の生活水準を維持しつつ、未来の世代が同等またはそれ以上の生活水準を享受できるように、自然環境や社会経済のバランスを保つことを指す概念です。
1987 年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」が発表した報告書で「Sustainable Development(持続可能な発展)」という言葉が使われたことにより、広く知られるようになりました。
参考)サステナビリティとは?意味やメリット・企業の取り組み事例をわ…
医療従事者にとってのサステナビリティは、単なる環境配慮ではなく、以下の 3 つの柱を統合した考え方です。
これらの柱は相互に関連しており、どれか一つでも欠けてしまうと持続可能性を保つことは困難です。
医療機関におけるサステナビリティの 3 つの柱を詳しく解説します。
環境の柱
社会の柱
経済の柱
これらの 3 つの柱をバランスよく調和することで、医療機関は持続可能な社会の実現に貢献することができます。
医療廃棄物からの温室効果ガス排出削減は、医療機関が最も即効性のあるサステナビリティ活動の一つです。
医療廃棄物削減の重要な知見
廃棄物階層に基づく対策
1. 削減:使用頻度の低い物品を手術パックから削減
2. 再利用:リユーザブル手術器具の導入
3. 再処理/再生:使い捨て医療機器の再処理と器具の再生
4. リサイクル:高排出の臨床廃棄物ストリームから低排出のリサイクルストリームへの転換
5. 代替:焼却に代わる代替処理方法の採用
意外な事実
サステナビリティに取り組む医療機関は、環境負荷削減だけでなく、経済的メリットも享受できます。
コスト削減の具体例
東京逓信病院の事例
日本郵政グループの企業立病院として、以下の取り組みを実施しています:
SDGs 経営の期待効果
環境・社会による変化のリスクと影響のリスクをチャンスに変えることを SDGs 経営の期待効果とし、その手法は、PDCA サイクルを用い、企業外サプライチェーンと企業内バリューチェーンを SDGs17 目標を紐づけしています。
参考)https://tokyo.jahmc.or.jp/media/files/2023/09/sdgs_4.pdf
医業 SDGs 導入事例の拡大
2020 年 6 月の「医業 SDGs 導入事例調査」では 13 件でしたが、2022 年 6 月には 45 件増え、全国的に拡大しています。
検索上位にはない独自視点として、医療従事者が日常業務で実践できるサステナビリティ活動を提案します。
個人レベルで取り組める 7 つの行動
1. 医療機器の適切な使用:必要以上の使い捨て器具の使用を避ける
2. 電力節約:使用しない機器の電源を切る習慣化
3. 紙の使用削減:電子カルテやデジタル資料の活用
4. 移動手段の工夫:院内移動は階段活用、自転車通勤の検討
5. 水資源の節約:手洗い時の水の流しすぎ注意
6. 廃棄物の分別:適切な分別でリサイクル可能な廃棄物を増やす
7. 患者教育:サステナビリティの重要性を患者に伝える
医療従事者の役割
医療従事者は、患者の健康を守るだけでなく、地球環境の健康も守る役割を担っています。持続可能な医療の実現は、医療従事者一人ひとりの日常の選択と行動から始まります。
意外な視点:サステナビリティと医療の質
サステナビリティに取り組むことは、医療の質向上にも寄与します。例えば。
参考リンク。
厚生労働省の「国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現」に関する詳細政策が記載されています