プロピオン酸とその塩類は、食品の保存料として使われ、主にカビや一部の細菌の増殖を抑える目的で利用されます。パン、洋菓子、チーズなどで重視されるのは、味よりも保存性を安定させる働きがあるためです。厚生労働省の食品添加物分析法でも「プロピオン酸及びその塩類」が保存料として扱われています。
参考)食品中の食品添加物分析法|厚生労働省日本ではパン類、焼き菓子、チーズなどで用いられることが多く、用途は保存性の確保に集中しています。保存料としての表示を確認する際は、プロピオン酸そのものだけでなく、プロピオン酸ナトリウムやプロピオン酸カルシウムの名称にも注意が必要です。食品の種類ごとに使い方が異なるため、原材料表示の読み方が重要になります。
参考)https://marugo.org/column/detail.php?id=57EFSAの再評価では、プロピオン酸とその塩類について遺伝毒性や発がん性への懸念は示されず、JECFAはADIを「限定しない」としています。ただし、動物試験では接触部位への影響が検討されており、用途拡大の安全性は濃度条件を踏まえて判断されています。医療従事者向けには、危険性の断定ではなく、評価条件と暴露量の理解が実務的です。
参考)食品安全関係情報詳細食品中の食品添加物分析法では、プロピオン酸及びその塩類の確認法が整備されており、基準適合や未指定添加物の有無を確認する目的で使われます。現場では「入っているかどうか」だけでなく、「基準内かどうか」を検証する視点が重要です。品質管理や監査対応では、分析法の妥当性確認まで含めて理解すると実務に役立ちます。
プロピオン酸は腸内でも自然に生じる短鎖脂肪酸であり、食品添加物としての側面だけでなく、代謝との関係にも関心が集まっています。加工食品由来の摂取と生体内での産生は同一ではないため、臨床的には「どの形で、どの量が、どの条件で入るか」を分けて考える必要があります。食品添加物を単純に善悪で捉えず、食事全体の文脈で見る視点が大切です。
参考)https://ogawa-dm.com/2019/12/802.html