
電池や電源には、理想的な電圧源では説明しきれない電圧低下があり、その原因を内部抵抗として扱います。基本式は V=E-rI で、端子電圧 V は起電力 E から内部抵抗 r による電圧降下 rI を差し引いたものです。
参考)電池の起電力と内部抵抗 ■わかりやすい高校物理の部屋■
この式は、回路に電流が流れたときだけ電圧が下がることを表しています。電流 I が大きいほど rI も大きくなり、端子電圧がより下がるため、負荷を重くしたときほど内部抵抗の影響が目立ちます。
参考)電池の内部抵抗と端子電圧|V=E-rIを本質から理解【電験三…
したがって、「電池の電圧が低い」のではなく、「電池の中で電圧が失われている」と考えると理解しやすくなります。これは直流回路の基礎だけでなく、実際の電源設計や計測でも重要な見方です。
内部抵抗を求める最も基本的な形は r=(E-V)/I です。起電力 E、端子電圧 V、電流 I の3つがそろえば、式をそのまま変形して内部抵抗が出せます。
参考)https://byjus.com/internal-resistance-formula/
たとえば起電力が 1.65V、端子電圧が 1.58V、電流が 0.20A なら、内部抵抗は (1.65-1.58)/0.20=0.35Ω です。こうした例題では、まず電流を求め、それから内部抵抗を出す流れがよく使われます。
参考)高校物理 電池の内部抵抗の問題 - YouTube
計算でつまずきやすいのは、電圧の差を先に取る順序と、電流の単位をAでそろえることです。mAのまま計算すると答えが1000倍ずれるため、単位の整理を最初に行うのが安全です。
参考)🧮内部抵抗の計算
実測では、電圧計と電流計を使って端子電圧と電流を測り、複数条件から内部抵抗を推定する方法がよく使われます。電圧計は並列、電流計は直列に接続し、計器の内部抵抗が測定値に与える影響も考える必要があります。
参考)https://www.soucnet.com/ammeter-voltmeter/
電流計は内部抵抗が小さいほど望ましく、電圧計は内部抵抗が大きいほど回路への影響が少なくなります。これは、測定器そのものが回路に余計な電圧降下や電流分流を作らないようにするためです。
参考)『高校生のための物理学』5.4.3.電流計と電圧計の内部抵抗…
測定回路を組むときは、可変抵抗を使って電流を変えながら複数点を取ると、V-I関係の直線から内部抵抗をより安定して読めます。単発測定よりも、傾きや切片で判断する方法のほうが誤差に強いのが実務的な利点です。
参考)Decay
内部抵抗は固定値ではなく、条件によって変わります。特に電池は温度、放電状態、劣化度合いで内部抵抗が変化し、同じ電池でも測定のたびに値が少しずれることがあります。
参考)https://eleking.net/study/s-basic/sba-battery.html
負荷電流が大きいほど端子電圧の低下が顕著になるため、高負荷条件では内部抵抗の影響がよりはっきり見えます。逆に軽い負荷では、内部抵抗があっても差が小さく見えるので、見かけ上「問題ない」と誤解しやすい点に注意が必要です。
意外に見落とされるのは、内部抵抗そのものが発熱と結びついていることです。失われる電力はおおむね I^2r に比例するため、電流が増えるほど熱として消える損失が急激に増えます。
内部抵抗は「不良の指標」だけではなく、電源がどれだけ効率よくエネルギーを外部回路へ渡せるかを見る手がかりでもあります。つまり、単に数値を出すだけでなく、回路全体の電力配分を理解するための入口として使えます。
たとえば、同じ起電力でも内部抵抗が小さい電源は、電流が増えても端子電圧の落ち込みが小さく、実用上は「強い電源」として扱いやすくなります。逆に内部抵抗が大きいと、負荷をつないだ瞬間に電圧が崩れやすく、機器の動作が不安定になりやすいです。
この視点で見ると、内部抵抗の公式は単なる暗記事項ではなく、電池・電源・計測器のふるまいを一つの式で説明する共通言語になります。回路問題でも現場でも、V=E-rI を「電圧の分配式」として捉えると理解が深まります。
参考)電池の内部抵抗
参考になる基礎解説として、端子電圧の式と内部抵抗の関係を整理した日本語資料があります。
内部抵抗と端子電圧の基本式
キルヒホッフの法則から見る端子電圧
電流計と電圧計の内部抵抗の考え方
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