先発品を「念のため」選んでも、2026年6月から患者の自己負担は2倍になりました。

ナフトピジルの先発品は「フリバス」(旭化成ファーマ)です。 薬効分類は「前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤」で、α1受容体遮断作用によって尿道・前立腺平滑筋の緊張を緩め、排尿障害を改善します。
参考)医療用医薬品 : フリバス (フリバス錠25mg 他)
規格は25mg・50mg・75mgの3種類。用法用量は1日1回25mgから開始し、効果不十分なら1〜2週間間隔で50mg→75mgへ漸増します。 1日最高投与量は75mgまでとされています。
参考)フリバス錠75mgの基本情報・添付文書情報 - データインデ…
つまり、用量調節が段階的に必要な薬です。
先発品フリバスの薬価は次の通りです。
| 規格 | 先発品(フリバス)薬価 | 後発品(参考:トーワOD錠)薬価 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 25mg | 18.50円/錠 | 10.40円/錠 | 8.10円 |
| 50mg | 42.60円/錠 | 13.70円/錠 | 28.90円 |
| 75mg | 44.70円/錠 | 20.50円/錠 | 24.20円 |
参考)Redirecting to https://med.tow…
50mgでは先発と後発の差額が約29円と最も大きく、1日1錠服用した場合、年間では約10,000円以上の薬剤費差になる計算です。 これは大きな差ですね。
2024年10月から「長期収載品(先発品)を患者が希望した場合、薬価差の1/4相当を選定療養として自己負担させる」制度が始まりました。 さらに2026年6月からは、その負担割合が薬価差の1/2相当に引き上げられました。
参考)https://www.city.gobo.lg.jp/material/files/group/15/iryouhi.pdf
具体的にどういうことでしょうか?
たとえば先発品が1錠100円、後発品が60円の場合、差額40円の1/2=20円が「特別の料金」として通常の1〜3割負担に上乗せされます。 フリバス50mgで試算すると、後発品との差額約29円の半分=約14.5円が上乗せとなります。これは保険給付が減少する仕組みであり、医療機関の収入増ではありません。
特別の料金が発生しない例外ケースも重要です。
医療従事者としては、患者への説明と記録が条件です。
有効成分(ナフトピジル)の規格と効能・効果・用法・用量は先発品フリバスと後発品で「一致」しています。 生物学的同等性試験(溶出試験)により、薬効の同等性が確認されています。
参考)https://medical.nihon-generic.co.jp/uploadfiles/medicine/NAFTO25_HIKAKU.doc
ただし、添加物(賦形剤やコーティング剤)は後発品によって異なります。 白色素錠か、特定のコーティングの有無か、錠剤の硬度や溶出プロファイルなど製剤設計が各社で違います。 これが「同じ成分でも飲み心地が違う」と感じる患者が出る理由です。
参考)https://kirishima-mc.jp/data/wp-content/uploads/2023/04/fe16a647b5616e61199e5ec312ea296c-1.pdf
添加物が原因のアレルギー反応が起きたケースでは、先発品への変更や別メーカー後発品への変更が医療上の理由として認められます。 過去に後発品で副作用が出た場合も同様です。 患者の服薬歴や副作用歴の確認が原則です。
また、OD錠(口腔内崩壊錠)と通常錠が混在しています。 嚥下困難な患者にはOD錠が適しており、先発・後発ともに規格が揃っています。 製剤の選択肢は意外と広いですね。
ナフトピジルは、α1受容体遮断薬であるため起立性低血圧が代表的な副作用です。 特に投与初期または用量の急増時に、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。 高所作業や自動車運転に注意を促す指導が必須です。
参考)https://www.data-index.co.jp/drugdata/pdf/2/430920_2590009F4151_2_03.pdf
重大な副作用として次の2点が挙げられています。
| 副作用 | 頻度 | 対応 |
|---|---|---|
| 肝機能障害・黄疸(AST・ALT・γ-GTPの上昇) | 頻度不明 | 投与中止等の適切な処置 |
| 失神・意識喪失(血圧低下に伴う一過性) | 頻度不明 | 投与中止等の適切な処置 |
そのほか頻度の高い副作用として、めまい・ふらつき、立ちくらみ、低血圧、胃部不快感、下痢などがあります。 これは注意が必要ですね。
特に重要なのがIFIS(術中虹彩緊張低下症候群)です。 ナフトピジルを含むα1遮断薬の服用中または服用歴がある患者に白内障手術を行う際、術中に虹彩が弛緩して手術操作が困難になるリスクがあります。 眼科手術前の問診票にα1遮断薬服用歴の確認欄を設けることが望ましいとされています。 薬剤師による服薬歴の記録と外科系医師への情報提供が重要です。
降圧剤との併用時には、血圧低下が増強される可能性があります。 投与開始時に降圧剤の有無を必ず確認することが求められています。 確認が基本です。
一般的には後発品への変更が推奨される中、先発品フリバスを選ぶ合理的な場面は実際に存在します。 後発品で副作用が出た場合のリトライとして先発品を選ぶケースは、選定療養の特別料金免除の対象です。
具体的に先発品が選択肢として浮かぶ場面をまとめます。
医療従事者として重要なのは、選定療養の説明を適切に行い、患者の同意と記録を残すことです。 説明記録が防御になります。
参考として、後発品が先発品と同薬価になった場合についても注意が必要です。薬機法上は後発品のままですが、診療報酬上の後発品としての扱いが変わる例があります。 薬価改定のたびに最新情報の確認が必要です。
参考)FAQ解説07「後発品が先発品(準先発品)と同じ薬価になった…
📎 フリバス錠50mg 添付文書情報・薬価・後発品一覧(CareNet.com)— 先発品の最新薬価や後発品リストの確認に活用できます
📎 厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報 — 最新の薬価基準・後発品収載状況の公式確認ページ
📎 西宮回生病院:先発医薬品の自己負担変更(2026年6月〜)解説 — 選定療養の2分の1負担変更の概要をわかりやすく解説しています
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