関西圏の総人口は、将来にかけて減少局面が続く見通しです。関西広域連合の資料では、関西圏の総人口は2045年に1,794万人となる見込みで、2015年比で18.6%減とされています。同資料では、2010年比で2050年に約1,670万人、約75%まで低下する推計も示されており、長期的な縮小が前提になります。医療機関の配置や通院動線を考えるうえでも、人口の絶対数だけでなく減少の速度が重要になります。
参考)https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/12621/h30-2.pdf
関西圏は長く転出超過が続いてきましたが、近年は改善の兆しがあります。関西広域連合の資料では、1970年代以降は転出超過が続いていた一方、近年はその幅が縮小しているとされます。2025年には関西2府4県で転入超過となり、関西圏全体でも52年ぶりの転入超過が注目されています。人口の「量」だけでなく、若年層や就業層がどこへ動くかが、地域医療の将来需要を左右します。
参考)https://www.kouiki-kansai.jp/material/files/group/3/1428479123.pdf
関西圏は一枚岩ではなく、府県ごとに動き方がかなり違います。将来推計では、滋賀県は減少幅が比較的小さく、和歌山県や徳島県は減少幅が大きいとされています。関西広域連合の資料でも、関西圏域内では大阪への人口移動が目立ち、転入超過は大阪府と滋賀県のみと整理されています。同じ関西圏でも、都市部は流入圧力、周辺部は流出圧力という二層構造で見ると理解しやすくなります。
人口減少は患者数だけでなく、医療人材の確保にも影響します。関西圏では大学・学生の集積がある一方で、首都圏への流出も一定程度あり、地域内での人材循環が課題です。関西広域連合の資料では、大学卒業者の地元残留率や留学生の受入れ、就職先の偏りも示されており、人材面の需要と供給が一致しない構造が見えます。医療機関の採用戦略でも、人口推移と教育機関の立地を合わせて見ると、将来の供給源を読みやすくなります。