フレーバーは「無料」なのに、年間5億円以上の製造コストがかかっている。
参考)https://www.eapharma.co.jp/hubfs/medical/news/2025/ED-H-1-PM-04406.pdf

エレンタール(エレンタール®配合内用剤)は、クローン病や消化管術前後の栄養管理に使用される成分栄養剤です。 たんぱく質を完全にアミノ酸まで分解してあるため吸収効率が高い反面、独特の土臭さや苦みがあり、経口服用の継続が困難な患者が少なくありません。
参考)https://osaka-ibd.org/wp/wp-content/themes/osakaibd2024/pdf/20220527.pdf
フレーバーはその問題を解決するためにEAファーマ社が専用開発した風味付け粉末です。現行では10種類がラインナップされており、ドリンクタイプ・ゼリータイプの両方に対応しています。 重要なのはこれが「他の医薬品には使用不可」と明示されている専用品であることです。
参考)https://asp.eapharma.co.jp/flavor/img/ED-H01A.pdf
つまり、エレンタール専用品ということですね。
対象となる製品は以下の3製品に限られます。
これだけ覚えておけばOKです。
フレーバーの注文は医療機関からのみ受け付けされており、患者が直接EAファーマへ連絡しても入手することはできません。 これは販売品ではなく無償提供品であるため、流通経路が一般の医薬品とは異なります。
注文方法は主に2つです。
在庫に余裕がある場合でも、製造コストが年間約5億円規模にのぼることから、2025年にはフレーバー1袋あたりの含量が6gから5gへ引き下げられています。 処方箋や使用量の指示を変えていない施設では、一包あたりの量が変わっていることに患者が気づかないケースもあるため注意が必要です。
含量変更は見落としやすい点です。
参考:EAファーマ公式資料・フレーバー含量変更のご案内(医療機関向けPDF)
EAファーマ株式会社|成分栄養剤専用フレーバー 含量変更のご案内(PDF)
現在提供されているフレーバーは以下の10種類です。
参考)https://nichijou-gimon-ji.com/archives/254.html
| フレーバー | 風味の特徴 | 向いている患者層の目安 |
|---|---|---|
| グレープフルーツ | 酸味・さっぱり感が強め | 甘いものが苦手な成人 |
| ヨーグルト | まろやか・酸味控えめ | 幅広い年代・初回推奨 |
| 青りんご | フルーティー・冷やすと◎ | 若年〜中年層 |
| パイナップル | マイルドな甘み | 甘口好みの患者 |
| オレンジ | すっきりしたバレンシア系 | 子ども・高齢者にも |
| マンゴー | 甘み強め | 甘党の患者 |
| さっぱり梅 | 酸っぱさと香り | 高齢者に人気 |
| コーヒー | 苦みとコク | 中高年男性に人気 |
| フルーツトマト | トマト系・好みが分かれる | 野菜系が好きな患者 |
| コンソメ | しょっぱめ・甘みあり | 試食用途が中心 |
患者アンケートやSNS上のレビューを集計すると、グレープフルーツ・ヨーグルト・青りんごの3種が継続使用率が高い傾向です。 コンソメ味は「後味の甘みが苦手」という声が多く、長期継続には向かないケースが目立ちます。
参考)https://ameblo.jp/tsuki-rara/entry-12057732033.html
これは使えそうです。
服薬指導では「まずヨーグルトかグレープフルーツから試してみてください」と案内すると、患者の脱落リスクを下げやすくなります。複数種を一度に渡して好みを探ってもらう方法も、実際に多くの施設で取られています。
参考)食道や胃の手術を受けられる患者さんのための栄養管理のコツ
参考:患者向けフレーバー説明ページ(EAファーマ公式)
EAファーマ株式会社|食道・胃の手術後の栄養管理とフレーバーについて
医療従事者がフレーバー注文で陥りやすいミスは、大きく3つに分類されます。
① 1種類しか注文しない
初回注文時にヨーグルト1種だけ大量発注してしまうケースがあります。患者の好みは多様なので、まず少量で複数種を取り寄せ、患者に選ばせてから定期的に注文するフローに切り替えることが理想です。
参考)まずいエレンタール飲むためのおすすめフレーバーと飲み方の紹介…
② 含量変更を伝えていない
2025年の仕様変更以降、フレーバー1袋が6g→5gに変わっています。 患者が「前より薄い気がする」と感じるケースがあるため、変更前後で調整方法の説明書きが変わる点を患者へ必ず伝えてください。
厳しいところですね。
③ ゼリーミックスとの混同
EAファーマはドリンク用フレーバーのほかに「ゼリーミックス」も無償提供しています。 ゼリーとドリンクでは溶解手順が全く異なるため、誤って患者へ渡さないよう在庫管理を分けることが重要です。
以下は回避策をまとめた確認ポイントです。
フレーバー提供は「おいしくする」だけでなく、治療アドヒアランス(服薬継続率)の改善ツールとして捉えることが医療現場では重要です。クローン病の寛解維持においてエレンタールは有力な選択肢ですが、経口による自己管理が続かなければ意味がありません。
実際に患者ブログや当事者会のレポートでは、「フレーバーが合ってから継続できるようになった」という声が多く見られます。 逆にフレーバーが支給されないまま指導が終わった患者が、数週間で経口服用を断念してしまう例も存在します。
参考)エレンタールの全フレーバー使ってみた感想 - 夏目クローン病…
いいことですね。それだけフレーバーの役割は大きいです。
治療アドヒアランスの観点から注文プロセスを設計するなら、以下のフローが現場で参考になります。
1. 初回処方時にフレーバーサンプル複数種を一緒に渡す
2. 次回外来で「どれが飲みやすいか」をヒアリングする
3. 好みのフレーバーが決まったら定期注文リストに追加する
4. 含量変更などのメーカー情報を定期的にMRから入手する
フレーバー選びのフォローが、そのまま栄養療法の成功率を上げる投資になります。
参考:大阪炎症性腸疾患研究会による患者向け資料(エレンタールの実態レポート)
大阪IBD研究会|エレンタールってどうよ?(PDF)
参考:薬剤師向けエレンタールの味・フレーバー説明ガイド
m3.com薬剤師|エレンタールはどんな味?服薬指導で味の違いをうまく説明できる?
[指定医薬部外品]チョコラBBローヤル2 50mL×10本