あなたが処方する先発品、実は欠品中かもしれません。

デキサメタゾン系点眼液は成分名で見ると2種類に分かれます。デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムを含むオルガドロン点眼・点耳・点鼻液0.1%と、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウムを含むサンテゾーン点眼液です。
サンドファーマのオルガドロンは製造販売元の名称からも先発品として扱われることが多い製品です。ただし2024年3月には出荷停止製品の影響で需要が急増し、当面の間出荷調整(割当出荷)に入ったことが公表されています。
参考)https://teika-products.jp/upFiles/1716338834.pdf
つまり先発品だからといって安定供給が保証されているわけではないということです。
一方サンテゾーンは参天製薬の製品で、薬価データベース上では「準先発品」という区分で登録されています。これは厳密な先発品ではないものの、市場での位置づけとして先発品に近い扱いを受けているためです。
参考)商品一覧 : デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリ…
先発品の定義は制度上のものであり、供給の安定性とは別問題ということですね。
2024年、テイカ製薬のテイカゾン点眼・点耳・点鼻液0.1%は原料供給上の問題により製造販売中止が発表されました。販売中止時期は2024年8月、経過措置期間満了日は2025年3月末とされています。
代替品としては同一有効成分のオルガドロン、または類薬であるビジュアリン眼科耳鼻科用液0.1%(千寿製薬)が案内されています。これは28mLのペットボトル1本分に相当する容量で、多くの外来診療で使い切るのに1〜2週間程度かかる規格です。
薬価を比較すると、ビジュアリン眼科耳鼻科用液0.1%は29.2円/mLで、サンテゾーン点眼液0.1%の35.2円/mLよりも安く設定されています。
処方を切り替える際は、成分の同一性だけでなく薬価差も確認すべきポイントです。
在庫が急に切れて処方変更を迫られるケースは実際に少なくありません。院内採用薬リストを定期的に見直し、供給状況をあらかじめ把握しておくことが欠品トラブルの回避につながります。
KEGGの商品一覧データによれば、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム製剤の薬価は規格ごとに大きく異なります。
以下は主な製品の薬価比較です。
規格が0.1%から0.02%に下がるだけで薬価は半分以下になります。これは有効成分の含有量が5分の1に減るためで、軽症例では低濃度規格を選ぶだけでコストを抑えられる場合があります。
薬価差は年間の処方件数が多い施設ほど積み重なって大きな金額になります。院外処方の場合は患者負担にも直結するため、規格選択は治療効果とコストの両面から検討する価値があります。
一部の医療機関では、オルガドロン点眼・点耳・点鼻液0.1%やリンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%が院外処方限定に変更されているという審議記録が公開されています。
これは院内在庫を持たず、すべて院外の保険薬局を通じて患者に提供する運用方式です。院内で即時に使いたい場面では処方できない点に注意が必要です。
院内処方が必要な急性期の患者には、院内採用が続いている別規格や類薬を確認しておくと対応がスムーズになります。
くすりすとのようなデータベースサービスでは、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム製剤について、適応症や重大な副作用、禁忌病名、肝・腎排泄型など20種類以上の項目を一括で比較できます。
参考)デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウムの同効薬比…
これは紙の添付文書を1製品ずつ確認する手間と比べると、大きな時間短縮になります。複数規格・複数メーカーの製品を同時に扱う眼科・耳鼻科領域では、こうした比較ツールを1つブックマークしておくと、供給状況の変化にもすぐ対応しやすくなります。
供給が不安定な今の状況では、代替品の情報を事前に整理しておくことが結論です。
デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム製剤の薬価・区分を製品ごとに比較したデータはこちら
オルガドロン点眼・点耳・点鼻液の出荷調整に関する公式案内はこちら
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